デキる新入社員がメンヘラ社員に堕ちるまで
数年前のこと。
いろんな意味で目立つ新入社員が入社してきた。
美人ですらっと背が高く、能力も高い。
そして何より、その「やったるで感」が彼女のオーラとなり、ひときわ目立つ要因になっていた。
注目を浴びたい、ナンバーワンで居なければ、という野心の強さが印象的だった彼女。
彼女の「人(特に同期)より優位に立ちたい」というのが端々に現れた行動は、時に周囲から「あの娘ねー・・・ちょっとガツガツし過ぎててやりにくいんだよなあ」と言われることもしばしばだった。
しかしその「あたしがナンバーワン!」という気持ちは、彼女が仕事を頑張るモチベーションにも繋がっていたので、それはそれでよかった。
(何と言っても若いし、多少ガツガツしてても可愛いもんだ)
少なくとも頼まれたことは早急に完璧にこなそうと奮闘してくれるので、「なかなか有能な新人」だったんですよね。
ーーーーーー
そんな彼女が入社して数年経ち、すっかり「なんやかんや言って、同期の中ではあの子が出世するんじゃね?(目立ってるし)」という立ち位置を築いた、ある日。
彼女たち世代を対象とした初の昇格試験があり・・・彼女は不合格だった。
そして彼女は、その日を境にキレイなくらいに闇落ちしてしまったのだった。
自信に満ちていた態度は自嘲的になり、言わなくていい自虐ネタを繰り返し、さらには服装が乱れ始めた。
( ´_ゝ`)
こうなるともう、周囲の人々の扱いが変わってしまう。
最初は必死に慰めていた人々も触れなくなり、だんだんアンタッチャブルな存在になって行ったのだった。
結果論なのだが、これまで彼女が「デキる子」として振る舞えていたのは・・・彼女の「私を見て」の一心だけが、彼女の心と体を支えていたのね、、、と。
ぶっちゃけ、この昇格試験の合否は、今後の彼女の会社人生を致命的に左右するものではない。
つまり、ドライに考えられれば何度も受けられるし、一度や二度落ちたくらいで同期に追いつけないというものでもない。
それでもやはり、思い描いていた「常に成績優秀で、トップであるべき私」が崩れ去った現実は受け入れがたいし、・・・まあ、単純に、テストがダメだったのって居場所がなくなるようでほんっと辛いよね。わかるわかる。
( ´_ゝ`)
しかし、誰しもそういうしょっぱい経験を経て、なんとか再起する。
または、そこを去る決意をする。(それはそれで英断)
でも中には、宙ぶらりんの状態でよろよろと走り続けてしまう人も、いるのだ。
そしてそれがメンヘラへの第一歩。
( ´_ゝ`)
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ここからまた再起して欲しいと思いつつ見守っているが、あれから1年以上たつが、まだ復調の兆しは見られない。
そもそもポテンシャルはある子だと思うので、長く悩んでるくらいならもっと自分にあった会社にサッと移った方がいいんじゃね?と思わずにいられないが(余計なお世話ごめん)、悲しみや苦しみに囚われているうちは、なかなかそうも割り切れないものだ。
彼女は、自分で自分を否定し続けているように見られる。
まずは自分を否定しないで済む場所に自分を置くのが一番だと思うんだけど、そういう自分をも否定してるサイクルだから、難しいわ。
否定スパイラルからなんとか抜け出せることを・・・切に願わん。
(おしまい)
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