日常の隣にある狂気に出くわした話:谷中の飲食店で
普通と狂気の境目ってどこにあるのでしょう?
先日久しぶりに「ちょっとした事件」に遭遇し、“普通”と“狂気”の境目について鮮烈に考えさせられた話です。
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先日、谷根千を歩いていましたらば、偶然、雑誌などで見たことのあるお店を発見。
それはかの池波正太郎も通っていたと言われる老舗喫茶店(店名はお察し)。
ちょうど喉も乾いていたので、お連れさんと二人で「入ってみちゃう?」と盛り上がり。
老舗感びんびんな佇まいに躊躇しながらも、お店の前には以前掲載されたOL雑誌の記事などが貼ってあるところを見ると(←今思うと罠)、決して一見さんお断り店ではなさそう。
それに、数年まえに食べログで見てみたときは、悪い評判ではなかったような・・・
ということで、改めてググってみたりせず(←今思うと過失)、勇気をだして入りづら〜い風情のある扉を開けてみました。
レトロな引き戸をガラガラと開けて、外からは全く見えない神秘のヴェールに包まれていた店内を一望した瞬間・・・
「あ、あ、あ。これは久しぶりの大当たり級のやばい店や」
と、やば系センサーがとても敏感なわたくしは一瞬にして異変を察知していたけれど、突然のことすぎて対処は何もできない。
だってすぐに店主が出てきて、人懐っこく「どうぞ、こちらにお座りください」とにこやかに案内し始めたから。ゴミ屋敷に。
そう、一言で言えば、店内はゴミ屋敷だった。
私が座った椅子のすぐ足元(地べた)には、なにか宗教的な?魔除け的な?スペースがあり、観葉植物の足元に崩れ落ちたお線香の灰とゴミと何かの写真が混ざった(表現不能)、手作りの祭壇のようなものがせり出していて、今にも踏んづけてしまいそう。
(ここでは言い尽くせないので、興味が湧いた人はGoogleやトラベルアドバイザーの口コミを読んで。お店の名前は「谷中 汚い」とかで調べて考察して。)
さて、こんな状態で私たちがどうしたかというと、多分多くの人々も同じ行動を取ると思うのだけれど、「平静を装い、温厚に大人の態度でオーダーをする」のです。
内心パニックの時って、意外にみんなそうするのよ。
とにかく静かに無抵抗に、素早くタスクを済ませ(つまり最低限のオーダーをし、平らげる)、さっと出ようとする人が大半なんじゃないかと思う。
私たちも例に違わず。
竹のスプーンがカビていたのと店内のすえたような匂いでちょっと吐きそうになりながらも、8割方死ぬ気で流し込みましたよ。
これを読んでいる人は、なぜこんな目にあっているのに私は怒らないで平らげるのだろうか、と思うでしょう。
私もその直後は、こんな目にあってまで人(店主)に気を使う自分に腹がたちました。
私のバカ、このクソお人好し!
とっさにNoと言えない小日本人!と。
しかし、店を出てからGoogleのレヴューをみて、自分のその行動は正しかったことに気づいた・・・。
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