面接で敵前逃亡した話(その1)

先日の「愛想笑いをしない人」のエントリー。

あれ、実は仕事の面接なのでした。

 

 

つまり、「愛想笑いをしない人」は、受けた企業の社長。

日本の社長というと割とにこやかでソフトで腰の低い人も多いけれど、このお方は全く違った。

この人な。

 

他人に対して1つも遜(へりくだ)ることなく、かと言ってわざとらしく偉そうな態度に出るわけでもなく、ただただ「人生」とか「知」へのストイックな姿勢を堂々と貫いている、静かな威厳がビリビリ伝わる人。

 

 

会社の雰囲気自体もその社長の持つ空気が保たれていて、全く隙のない空間がそこにはあった。

 

そんな中、私は一次面接、二次面接と進み、最終面接(ほぼ内定)までこぎつけたのだが・・・

 

 

結果的に、私は、最終面接の直前に辞退してしまった。

 

 

辞退の理由は条件面など、挙げれば色々あるけれど、最後は単純に「もうあの空間に行きたくない」「怖い」と思ってしまったのだ。

 

敵前逃亡である。

 

丸裸にされる恐怖の面接

 

 

今回、社長から聞かれた質問は、

 

「あなたの長所は?また短所は?」

「あなたは自分に厳しい?他人には?」

「あなたの座右の銘は?」

「あなたにとって仕事とは?」

「あなたの仕事の達成率は?」

「仕事でどうなりたい?目標は?」

「年棒はいくら欲しいですか?」

「生涯最大年収はいくらが目標?」

「人生の目標は?」

「人として豊かになるために何をしますか?」

「最近読んだ本は何ですか?」

 

このようなことを聞かれた。

 

(受けた企業の特性上、普遍的な題材や学術的なものを扱うので質問が壮大な感じですが、決して学校や宗教関係ではなく普通の企業です。技能については一次で聞かれ済み)

 

 

ふわふわしたことをもっともらしく答えるのは得意だぜ・・・!

 

 

と思ったのも束の間。

自分と同等クラスか、自分よりも少しばかり頭のいい人にであれば「いいですね!」と納得させることができる程度には弁の立つ私だが・・・

 

 

はるか見えないくらいの知能と経験をお持ちの人には、全く通用しなかった。

 

 

1つの質問にしっかり答えられたと思っても、さらに突っ込んで

 

「それはなぜ?」

「あなたはさっきこう言っていたけど、なぜ?」

 

と二重、三重の質問をされて行くと、本当にしっかりと考えていること&実践できていること以外は、だんだん矛盾が生じて答えられなくなる。

質問内容もキレキレでドスのようでした(うろ覚え)

 

 

そのうちに、自分は主体性のないことばかり言っているような気がして、自分で自分の言った罠にかかっているような気持ちになってくる。

 

あくまで他人が私を見ているものなのだけれど、鋭い切り口によって自分のしょぼさが自分自身に見えてくるという、ごまかしの効かない恐ろしい時間でした。。。

 

 

 

 

最終面接には、行かない

 

二次面接が終わって、すぐに最終面接の連絡がきた。

 

実は英語力のところなどでかなり詰められ、全て正直に「業務で使うような英語はできません」と答えていたので、可能性はだいぶ低いと思っていたから、進んだのは意外だった。

 

 

選考して頂いたのは嬉しいが、「やった!」というよりも、「とうとう逃げられないな。お 覚 悟 」という重苦しい気持ちだった。

 

あの張り詰めた空気の中で、だらしない私は働けるのだろうか?

 

扱っている商材が良かったため、一度は「いや、受かったらここで自分を奮起させて頑張りたい!」と考えたけれど・・・

 

最終面接日が近くにつれ、その企業に飛び込みたい気持ちは無くなっていき、面接の時に受けた恐ろしさだけが私の心を支配していった。

いろんな気持ちがあるけど、「行きたくねえ」優勢

 

 

どちらにしても、最終面接を受けてから決めればいいんじゃない?

 

そういう意見もあったが、もう、足がすくんで動かない。

また丸裸にされて、とても落ち込むに違いない。

 

 

行かない理由なんて、出そうと思えば際限なく出てくるものだ。

 

職場の雰囲気が微妙、社長と合わなそう、給料が少し下がる、今までフリーでふらふら働いてきたのに定時出社で働けるか自信がない etc…

 

色々あっても、私は本来、やりたいと思ったらそういうものは全部かなぐり捨てられるタイプだ。

 

だから今回のそれらの理由は、逃げたい自分の気持ちを納得させるためのものだった気が、今となっては、する。

 

 

だから、本当の理由はきっと・・・

 

もう、動物的に、怖いところに行って傷つきたくない。

 

これに尽きるのかも。

 

極端に頭のいい人のそばで、自分が落ち込みたくない。

 

毎日、自分に自問自答する毎日になるのが嫌。

 

知の巨人から雇われてしまったら、苦しいことに喜んで奴隷のように働いてしまうかもしれない。

 

 

結局私は、最終面接日のかなり直前になって、辞退するメールを送った。

 

(続きます)

その後の話→面接で敵前逃亡した話その2

 

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2件のフィードバック

  1. スンリ より:

    お疲れ様( ´ ▽ ` )

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